ORとはなんだ?

3.困っている航空会社の井上さん

航空機はものすごい勢いで燃料を消費します。ある航空会社の井上さんが困っていました。井上さんはわたしの後輩の部下だったのです。

「この頃は、各国の飛行場ごとに航空燃料の単価に差が出てきた。安い所でたくさん燃料を積み込むようにすれば、全体の費用が安くてすむだろう。ところが、積載物の重量や滑走路の長さによっても、積み込むことが出来る燃料の量が変ってくるし、滑走路の条件も影響してくる。風向きなどの気象条件によって消費量もかわってくる。行き先が気象の悪化のため着陸できない場合には、最寄りの別の空港に行き先変更が変更される。このために予備燃料も確保する必要がある。もちろん、飛んでいる間にガス欠なんて起きたら一大事。どうやって、燃料の購入をすればよいかをシステマティックに決定する方法はないでしょうか。困った話でしょう?」

「へーぇ、面白そうですね」...OR屋っていつもこうなんです。

さて、以下ではこの問題を少しだけシンプルにして、扱いやすいモデル作りをご覧に入れましょう。いま、東京−アンカレッジ−フランクフルト−アムステルダムを往復する便を例にとって考えることにします。

空港間の所要時間:

燃料の単価と空港ごとの燃料最大積載量:

  
購入単価(円/ガロン) 130 120 100 150
最大積載量(ガロン) 45,000 47,500 45,000 37,500

着陸時の最低予備燃料:

いずれの空港も 5,000ガロンあればどこか最寄りの空港に飛んで行ける。

燃 費:

一律に50ガロン/分として考える。

さあ、ここで問題は「空港Aにおける燃料の初期値が与えられたとき、上記の条件を満足させ、Dまで行ってAに戻ってくるまでの燃料購入費用を最小にするような購入計画を決めなさい」ということになる。

また、切り紙細工かって?


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