在庫管理の問題だってさ
この問題は昔、「新聞売り子の問題」とよばれた種類の問題で、典型的でかつ簡単な在庫管理の話なのです。普通、新聞は当日は新聞としての価値がありますが、翌日は新聞紙になってしまいます。

新聞にまつわる、こんな笑い話があります。イギリスのど田舎で旅行者が新聞を買いにいきました。

「おい、新聞をくれ」

「旦那、今日のですか、昨日のですか?」

「今日のに決まっているだろう」

「それでは、明日来てください」

すごい田舎だったのです。


とにかく、野暮ったいけれどもわかりやすい話からまいりましょう。アケミさんが毎日20個作ったとしたら利益はどうなっていたでしょう。それを、60日分の実績データから計算してみましょう。いつか「やってみること」が大切だと言いましたよね。何でもやってみるのです。

支出の計算は簡単にできますね。

製造個数=一日の製造個数×営業日数=20×60=1,200(個)

総支出=一個あたりの原価×製造個数=160×1,200=192,000(円)

収入の計算は売れた個数を勘定すればわかります。

1日に20個ずつ作るわけですから、需要がそれより少ない日は需要分だけしかケーキは売れません。 また、需要が20個をこえる場合は、作った分20個しか売れません。

左の表は販売個数の合計を計算するための表です。

全部で977個売れたことになりました。そこで、総収入=価格×販売個数ですから、

   総収入=350×977=341,950(円)

総利益=総収入−総支出ですから、

   総利益=149,950(円)

となります。

このような計算を、一日の製造個数を変えてみるとどうなるか、ですね。

こんなふうになりました。アケミさんは毎日17個作っていればよかったということになりました。もっと儲かることになりました。たくさん売れることが=利益を最大にしてくれるものとは言えないことがわかりました。


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